おおきに太田川

川 海 One Love Peace

入場無料

 

2012.4.21[sat]前夜祭  22[sun]

福澤 Jan 崇

太田川流域の小匠という場所で紀州備長炭を作っている職人さん。

古くてボロボロになっていた炭焼き窯をセルフビルドで豪快に復活させた。

鳥羽山 誠一

和歌山市内から太田川上流の色川に移り住んで8年、ここまで山仕事一筋でやってこられたそうだ。きっかけは「緑の雇用」制度。緑の雇用とは県外からの林業の新規就労者の誘致、山村の過疎化対策、田舎の雇用の拡大のために制定された人件費助成制度で、これをチャンスとして田舎暮らしをスタートさせる若者も多い一方で、長期的な意味での林業従事者を育てるということに関してはまだまだ課題の残る制度のようだ。そんな中、鳥羽山さんは「出し」と呼ばれる林業の中でも、最も難しいとされる業務を専門に行う菊地林業の親方、菊池七郎という山師に出逢い、惚れ込み、弟子としてスムースに緑の雇用からのステップアップを果たした。

基本的に一日の全てを山の中で過ごす彼が見る世界はどんな世界なのか。彼の理想とする「山師」とは何であるのか。彼の仕事現場にお邪魔して、その切り立った急勾配な斜面でお話をうかがった。

白水 節二 × 安江 先生

太田川流域上流の色川在住のお百姓の白水さんと外科医の安江さんにコロコロランドについてお話をうかがった。コロコロランドとは里山再生プロジェクトの一つだ。和歌山県の山のほとんどは植林のスギ、ヒノキが植えられている。戦後に行われた国策の一つで、元は田んぼや臓器林だったところにスギ、ヒノキを植え、一本につきいくらというかたちで助成金を出し、日本全国植林ブームとなった。しかし時代は「木」から「コンクリート」、「国産材」より「輸入材」に変わる。管理するのに手間がかかるスイ、ヒノキはそのまま放置されることになり、単一化された自然はどんどん多様性を失い、ただただ背が高くなった木が住民の生活を脅かす。現在全国の未税日の植林は8割を超えるといわれる。

コロコロランドとは場所による一つの答えだ。その土地を買い取ってしまいスギ、ヒノキを伐って新たに広葉樹を植える。そうやってもともとの里山の風景を取り戻していこうという祈りだ。

お二人がどんな想いで里山を再生しようとしているのか、見据える先にどんな景色が広がっているのか。話は山を超え、川を超え、教育や医療、福祉、哲学などにまで広がり、長時間に及んだ。

田中 秀俊

那智勝浦町で一番広い面積の田んぼを作っている田中さん。その広さはなんと2町歩5反。2町歩5反がどのくらいの大きさかというと2.6ha。学校にある25mプールおよそ60個分である。そんな広大な田んぼをほとんど一人で作っていらっしゃる。途方もない仕事量のはずだ。

田中さんの田んぼがある庄という地域は熊野古道の大辺路ルートの最後の方に通る集落だ。現在でも熊野詣をされる旅人がその道を歩き、その地域の自然や人たちと触れ合いながら旅をする。しかし地域の高齢化や過疎化で農業離れが進み、徐々に休耕田が増えていき季節感のある風景は消えつつある。田中さんはそんな歴史ある場所の風景を守りたいという気持ちで人々が離れていった田んぼを引き受けて耕作面積をここまで増やされてきたようだ。

大切なことは「楽しむこと」。遊び心を持って百姓をする田中さんの田んぼはどこまで広がっていくのだろうか。出穂間近の稲に囲まれながらお話をうかがった。

 
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